『ふつう農業』は大規模流通の市場流通と小規模流通の地域の直売所流通の中間に位置する農産物の流通です。 地域プロデュースの弊社が間に立ち、農家と小売である量販店さん(WEB販売の場合は消費者)を最短距離で結んでいます。

 

(ここで図が入ります)

 

 量販店さんとは契約を結び店頭で地場野菜の売り場を作る。この際従来の少量多品種型の『地産地消コーナー』ではなく、その時期のその地域で愛されている野菜や果物を多量少品種型の『強い地場野菜コーナー』として販売。『季節感のある野菜』を『一定期間継続して』『生産者の顔が見えて』『親しみの持てる地元産で』『鮮度がよく』しかも『単価が安く』販売する『漂流岡山の強い地場野菜』コーナーとして売り場全体をパッケージして量販店さんに提案。

 

 競合店との差別化が可能な売り場として量販店さんの信頼を得ています。時々『量販店さんなんかと商売したら買い叩かれるんじゃないか?』と言われますが、量販店さん(イオン株式会社様、株式会社ハローズ様)とは地場野菜で10年以上お付き合いしていただいてますが、そんなことないですよ。これだけ流通が発達してくると、どこのスーパーに行っても基本的に同じものが並びます。と言うか『競合店にあって自社にはない』商品があるような量販店はずいぶん怠慢なお店です。

 となると競合店との差別化は『鮮度』『店の綺麗さ』『便利さ』、そして一番大きくかつ一番手っ取り早く効率的な差別化は『価格』です。言ってしまえばただでさえオーバーストア状態で競合店とのドロドロな価格競争を続ける中で、『競合店に無い価値』、『競合店に無いコンテンツ』を提案することは量販店さんの心に響くと思います。そんな『価値』を量販店さんは渇望していると思います。

 

 よく地域の生産者や加工業者の方と話をすると『地元の特産品を高付加価値型で売り込みたい、場所は東京の、しかも一流百貨店で扱って欲しい』と言われることがとても多いです。おそらく全国津々浦々の地域の人達が言われてるんだと思います。『都心の百貨店で高く売りたい』と。

 でも全国の農家さんや加工業者さんがつてを頼って次から次へと百貨店や高質スーパーの前に列をなして売り込みに行ってるんです。そこで本当に有利取引になるのでしょうか。いわば『満腹』している百貨店や高質スーパーよりも、『飢餓』して『渇望』している量販店さんに売り込んだ方がより有利な販売になるのではないかと思います。(と言うか弊社ではなっています)

 

 『野菜』や『果物』を売るのではなく、『売り場まるごと』をパッケージ化して売り込む。『農産物』を売るのではなく、『競合店にはないコンテンツ』を売る。

 ただ『農産物』を並べるだけでなく、お店の皆さんと協力しあって『競合店をコテンパンにやっつける』売り場を作る。 そのためには私たちがあらゆる売れるためのツールを勝手に作る。

以下はそのツールの一例です

 

※動画

※POP

※黒板

※マネキン販売

※等身大プリクラ

 

 これらのことを徹底すれば、量販店の皆さんの理解は充分に得られると思います。

そしてその量販店さんと作る売り場に並べる野菜の必要数量を考えます。毎日の常設コーナーでの必要数量。そして各店で曜日を変えて開かれる地場野菜フェアでの必要数量を割り出して、そして農家さんに作付けの依頼をします。

 

 農家さんからは全量を一定価格で買い取る契約を結びます。一般的に農家が直売所や量販店の地場野菜コーナーに野菜を持ち込む場合は『消化仕入れ』と呼ばれる納品の形態になります。買い取りではなく店頭でお客様に売れた分だけ仕入れたこととして、売れ残った農産物は農家が自分で持ち帰る。

 例えば直売所に大根10本を朝持ち込んで夕方までに7本売れた場合、売上は7本のみで3本分のロスは農家がかぶる。農家はもちろん売れ残って自分で持ち帰るのは避けたいので単価を下げる、もしくは1品目あたりの数量を抑えて売れ残らないようにする。単価を下がればもちろん儲からないし、少量多品種を栽培しようとすると栽培効率がものすごく悪くなる。

 さらに地元の直売所に持ち込む場合はだいたい同じ時期に同じ作物を近所の農家は栽培しているので、大量に収穫できる時期には大量の売れ残り(農家のロス)が増えることとなる。これではなかなか若い農家はもたないです。続けられない。そこで私たちの『ふつう農業』では過去7年間の市場価格と店頭価格を基に各作物の買取価格を決めて、うちのために栽培してくれている農家さんの農産物は全量買取っています。

※過去7年間の表

 このことで単位面積あたりの予定収穫量は予想されますから、あとは単価を掛けて全体の売上予定が立つ、つまり事業計画がきちんと将来にわたって書けるのが『ふつう農業』の特徴です。しかも私たちは『農家は農産物を作るプロであって袋詰めや物流のプロではない』との考えから収穫された農産物は原則はだかで(水洗いと汚れ・ごみを取るはしてもらってます)、納品は巡回している弊社のトラックで集荷しています。 そんなこと(袋詰めや物流)してる時間があったらより良い野菜をちょっとでもたくさん作って欲しいと言うことです。

 

 ※スタートアップ資料

 

 競合店に無い『価値』『コンテンツ』を量販店さんと一緒になって作り、そこで必要となる農産物を逆引きで割り出して農家さんに作ってもらう。できた農産物は一定価格(農家さんに納得していただいた価格)で全部買い取る。私たちはその間のつなぎ手となる。 『ふつう農業』とはそんな単純で簡単な仕組みです。