瀬戸内神宝マンゴー

甘みと酸味の絶妙なバランス

マンゴー

近年果物については『糖度、糖度』と兎に角糖度を競う傾向にある。
しかし糖度だけでは語れない『旨味』や『バランス』、『キレ』なんかも果物を語る上で重要な要素ではないかと思います。
岡山県南部の瀬戸内市、その瀬戸内市は牛窓地区の瀬戸内海を見下ろす山肌でマンゴーを作り続けている『神宝あぐりサービス』さんはまさに糖度だけ ではなく(もちろん糖度もバリバリに高い)、大人が味わい、そして唸る『旨味』『酸味とのバランス』『最後に口に残る余韻』すべて完璧なマンゴーを日々栽 培しています。
ではなぜマンゴーとは縁もゆかりも無い岡山県で、こんなに美味いマンゴーを『神宝あぐりサービス』さんは作っているのか。それはちょっと普通とは違う理由があります

瀬戸内神宝マンゴー
瀬戸内神宝マンゴー

今井桃里園を訪ねて

瀬戸内市の農業が元気にならんと

今井さん圃場

正直な話、『岡山果物カタログ』にはさまざまな生産者さんから果物の売込みがあります。でもなかなか弊社で扱うことは少なく、お断りしているのがほとんどです。
『岡山果物カタログ』の不変のスタンス、『自分が高いお金を払ってでも、どうしても食べたい』と思えるかどうか、完全な消費者目線で考えたときに販売をとどまってしまうケースがとても多い。
けどこの『瀬戸内神宝マンゴー』は食べてみて取り扱いを即決!そして美味い理由を聞いてまた納得。
これは絶対に扱わないといけないと思いました。
ホームページなんかで生産者さんが美味しい農産物を作る理由を語ることがよくあります。
『たくさんのお客様に美味しいと喜んでもらうため』
『お客様の笑顔が頑張る理由です』
『また食べたいの言葉が欲しくて』
それぞれ納得の理由ですが、ちょっと動機付けとしては弱くあるまいか。
『神宝あぐりサービス』さんのモチベーションはもっと具体的、かつ生々しい。
『神宝あぐりサービス』さんは『シンポー工業株式会社』さんのグループ企業で、この『シンポー工業株式会社』は1918年設立で土木工事、水道施 設工事、管工事業を主な営業品目とする岡山の老舗企業です。『シンポー工業』の前社長さんで、いまは岡山県の県議会議員の神宝謙一さんが弊社を尋ねてきた のが約1年前。県議の先生らしく見るからにパワフル、ぜも笑顔が優しく全然偉ぶらない神宝さんが挨拶もそこそこに語り始めた。
『阿部さん(私のことです)!私は美味いマンゴーを作って、たくさんの人に喜んでもらって、たくさんの人に買ってもらって、瀬戸内市の農業が元気にならんと意味がないんです!』とド迫力で。
なぜ意味がないのか。 マンゴー
『瀬戸内市はなかなか農業にむいとらん土地でした。標高の低い土地は吉井川がちょっと氾濫すると水浸しになるし、じゃから言うて山の方は水が全然 引けないからいつも雨水頼み、水不足でまともな農産物は育たんし、そこで昭和60年に国・県・地域が一体になって吉井川から20キロの長さの灌漑施設整備 を行いました。だから今では牛窓の山のてっぺんの畑でも、吉井川からポンプで水を汲み上げて蛇口をひねれば水が何ぼでも出ます。
この灌漑施設整備事業で私のところのシンポー工業もたくさん仕事をさせていただきました。
ところがでえすよ、いざ吉井川から水を引いてみたら農業が衰退してしまって水の使い手がいない。
高齢化と担い手不足でどんどん農業をやっている人が減っていきょうる。こんな状態でなんぼ水がきとるからいうて山肌整備して農業する人なんかなかなかおらんのです。
私は愕然としまして、せっかく昭和60年から18年もかけて灌漑設備したら農業が元気なくなってせっかくの水を使わないと、これはいけんと。
国や県や地域の自治体が大切な税金を使って灌漑整備の予算つけてもらって、それで私もその仕事をやらせてもらって、いざ出来てみると使う人がおら ん。これはもう矢も盾もたまらんようになってもう自分で農業しようと。まず自分がその水を使って本当に美味しい農産物を作って、その農産物をシッカリ売っ て規模を広げて、そしてこの地域、瀬戸内市を元気にして恩返しをせんといけんと思って始めたのがこの神宝あぐりサービスのマンゴー作りです。
ビニールハウスがあるのは南側斜面の山肌で、瀬戸内海の照り返しまであって日照量バッチリ。そしてもちろん水はたっぷりあります(笑)。
私たちは兎に角美味しいマンゴーを作って、たくさんの人に喜んでもらって、瀬戸内市に恩返ししなければ意味がないんです。
だからマンゴー作りに妥協なんて一切しません。妥協していい加減なマンゴーを作ったら瀬戸内市への恩返しにならん、それじゃまるで意味がないですから。
手を抜かず、徹頭徹尾愚直にまじめにマンゴーの木に向き合っています。だから阿部さん、うちのマン今井さん圃場ゴーは美味しいマンゴーができるんです。』
こんなわかりやすい理由があるだろうか。
こんな強いモチベーションがあるだろうか。
自分の生まれ育った、そして自分の事業を支えてもらったにもかかわらず肝心の成果物(灌漑設備)が利用されていないことに憤り、そしてならばと自分を奮い立たせて農業であるマンゴー作りを始めた神宝さん。
『鉢植えで根にストレスを与えて安定して高糖度なマンゴー作り』とか『瀬戸内海のミネラルたっぷりの潮風に育てられた』とか美味しさを支えるいろ んな条件はあるけれど、そんなことより『瀬戸内市のために恥ずかしくないマンゴー作り』『瀬戸内市へ恩返しのためには誰が食っても美味しいマンゴーで無け れば意味がない』と熱意先行で微塵の妥協も無く、マンゴーを育てるその信念・執念のほうがよほど説得力があると思います。
じっさい神宝あぐりサービスさんのマンゴーを食べてみると、なるほど甘いのはもちろんだけどすっきりしていてキレがある。果肉の質もまさに蕩ける、絶品だ!
と言うかマンゴーってこれほど美味しかったんだ!

 

おかやま夢白桃

今現場は息子さんの神宝貴章さんがお父さんの意志を受け継いで、代表取締役としてマンゴー作りに励んでいます。見るからに好青年の貴章さん、お話ししても真面目で『美味しいマンゴー作りに妥協はしません!』と鼻息も荒く、夏場では気温42度にもなるビニールハウスで奮闘しています。
そしてサポートするのはいつも元気な大塚さん。
現場のがんばりで美味しいマンゴーを育てています。
いみじくも岡山の優秀な若手農家を表彰する矢野賞を受賞したプロ農家中のプロ農家、赤磐市の行本健一さんが言っていた。『これだけ進んだ果樹の栽培技術の中で、一番生産者として大切なのは勝手な解釈で手を抜かないこと。ちょっとちょっとの手抜きが最終的に大きな味の違いになります。達人とか名人とかの幻想ではなく、いかに今の技術を手を抜くことなく実践するかが本当に最後に勝ち残る生産者だと思います。』
まさにそのとおりだと思う。
その行本さんのスタンスに非常に近い、まさに今求められている生産者の姿が神宝農園さんだと思います。
手を抜かず、ひたすら真面目にマンゴーの木に向かう神宝さん。元気にサポートする大塚さん。
そうそうもう一人、『瀬戸内神宝マンゴー』の販売を一手に引き受ける貴章さんのお姉さん神宝揚子さんの3人が力を合わせて、美味いマンゴーを作っています。
私たち『岡山果物カタログ』は神宝さんの想いが詰まった絶品マンゴーを、心をこめてお届けします。

今井さん親子

商品ラインナップ 翠峰

瀬戸内神宝マンゴー

発送期間 7月中旬〜8月中旬