農業七色秘宝館

テッカマン

2009.07.10.fri 

 『鉄火場』とはもともと賭博場の意味らしい。『緋牡丹博徒』の藤純子さんが丁半博打をやってるようなのがまさに鉄火場。
やってることはは違えど岡山果物カタログの職場は今まさに鉄火場。
果物なんて生き物なわけだし、毎年同じものが採れるわけじゃない。認めたくはないけど天候次第では美味しい年もあれば厳しい年もある。そんな意味では出来不出来にかかわらず事前に注文をとるミーたちのやり方は商品先物的とも言えるわけで、ある意味ギャンブル。
さらに日々の桃もどんどん入荷してくると、その出荷先のやりくりで鉄火場度数さらにア〜〜ップ!
ここ数年は、ミーたちは岡山の果物をWEBで販売してるだけじゃない。地元のスーパーさんにもジャンジャン卸してます。
岡山の方ならわかると思うけど、『ハローズ』さんに『フードバスケット』さん、そして『ジャスコ』さん。で、今年の進捗状況を見てみれば、皆様岡山果物カタログのお客様のeコマース部門もこの『ド』が付く不況のご時世に前年比を無事クリアなんだけど、ミーたちが納品しているスーパーさんのカタログギフトと自家消費用の果物の伸びが半端じゃない。前年比で倍以上。
『にま〜〜い、にば〜〜い』と高見山さんじゃないけどこのご時世に倍。スゲー好調!
で、なんでかと考えてみる。

 スーパーさんに出してる果物も、WEB用とはランクに差があるもののWEBとおんなじ『秋山さんの桃』や『山下さんのピオーネ』。言ってしまえば、どのスーパーにも置いてる桃と葡萄には違いない。『食べてもらえばわかるんじゃ。』とはミーの嫌いな農家のよく言う言い訳(泣きごと)なんだけど、お客様が買って、食べてみたくなるような演出は確かにしてる。でもそれだけじゃ倍にはなんない。
やっぱ味が違うんだよ。
初出荷で地元メディアに答える秋山さん桃の秋山さんに聞けば『そねぇなことはねぇ』と否定すると思うけど、岡山果物カタログで扱ってる果物の味は、特にここ数年はどんどん良くなってるとミーは感じる。秋山さんをはじめとする総社もも生産組合はと初めて会ったのは5年ほど前。話を聞いた印象は『熱意は凄いあるし、消費者本位の姿勢も素晴らしいけど、市場出荷がメインである以上は基準をどこにするかを模索してる』みたいな感じだったと思う。
簡単に言えば、『なんとかしてぇんじゃけど、どねぇすりゃぁええかわからん』みたいな感じ。
どうしたって今まで出荷しているところ(市場)の要望は、『規格がそろっているもの』『姿が良いもの』『日持ちがするもの』『糖度センサーを通しているもの(←コレについてはミーは今でも否定的。糖度計だけで味の良し悪しが決まるわけがない。果肉の質だって白桃の香りだって『味』だろうに)』みたいな消費者の求める『結局のところは味』と、ある意味身も蓋もない要望とはおよそ遠いもの。試食のあと。まるで手術台のよう。
さて、ココだ。
ココで今回のテーマだ。
消費者の求める物と実際作っているものが乖離してきているのなら、作り方を変えなきゃならん。そのためには消費者の根源的な要望に耳を傾ける必要がある。簡単に言えば『どねぇなもんを求めとるんか、ちゃんと考える』と言うこと。うちは消費者のみなさんに直接商品である果物をお送りしてるので、こちらは耳を澄ませばよくわかる。聞く気になれば聞ける。
問題は次。 『作り方を変える』だ。
硬さを調べているところWEBショップで『お客様のお喜びいただける厳選した果物をお届けします♪』と語るのはたやすい。極論すれば、農家んとこ行って『インターネットで売らしてもらえませんか。写真を前面に出して厳選果物ってことで売りますから〜』みたいなことだってできる。それならどこだってやってる。
根本的に消費者ニーズをくみ取ろうとするならば、どう喜んでいただけるような果物を、どのような基準で厳しく選んでいるのかが明確になってないと意味がない。そして明確にした上で、そのような作り方に変えなければならない。

 生活の糧である農業の、その根本的な作り方を変える。市場出荷メインから消費者個々メインにターゲットをかえる。これを実行することは、尋常ではなく・・・本当に尋常ではなく難しいとミーは思う。リスク大盛り。
さらに言えば、『お客様本位で味重視で行きましょうよ〜作り方変えてくださいよ〜でもお値段はお客様が喜ぶお値打ち価格でお願いします』みたいな販売側のリクエスト(この場合ミーたち岡山果物カタログ)は成り立たない。成り立つわけがない。
時々『安くて良いものを探してるんですよ〜』と商談なんかで言われることがあるけれど。
安くて良いものなんてあるわけがない。美味しいものは、それなりの適正な価格だ。総社もも生産組合の若手3人
うちは『お値打ち価格』も『生活応援価格』も興味がまるでない。作り方を変えるだけの価値がある価格が適正な価格だ。 
そんなスタンスでミーたちや生産者の皆さんがやってたら、どう考えたって価格勝負が当たり前のスーパーさんに出してるギフト用の果物のご注文件数が前年比で倍以上!
あのさ、よく生産者も参加する会議やシンポジウムに呼ばれて行くんだけどさ、生産者がよく口にするのが『消費者はわかっていない』『消費者に想いを伝える取り組みや食育の推進を』とか言ってるんだけど、消費者はわかってるよ。
だって返す返すもこの不景気なご時世に前年比で倍になる理由は、それは秋山さんとことかが消費者の求める物をリスクを顧みずに作ったってことだよ。硬くてゴリゴリした桃ではなくて、ちゃんと熟した桃を出すことを追求したからだよ。消費者はわかっていないことなんて断固ない。『消費者がわかってないことにして、消費者のニーズにこたえていない自分の商品が売れないことの言い訳にする』だけだ。消費者は不勉強でもなければ我儘でもない、もちろんバカでもない、貪欲で正直だ。その貪欲さに応える商品作り(果物作り)を突き詰めれば、理想論でも何でもなく売り上げに繋がることを今年のただ今現在実感中です。
今年もこの路線で邁進することをお約束します。
もう毎日が鉄火場のテッカマンなんだけど、その理想だけは忘れずに。

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