
今回はJA久世の竹下さんに同行して頂いて清友さんのお家へ 「清友さんはすくものぼかしごえ作りょうる(作っている)最中じゃけえ作業場におろう」 ???す、すいません。 す、すくも? 「あ〜『すくものぼかしごえ』言うたらわからんわな。」 ほとんどの人は絶対にわからないと思います。 「『すくも』言うたら米の籾殻(もみがら)よ、それを久米じゃぁ『すくも』言うん。それから『ぼかしごえ』言うたら・・どう言うたらええんかな。ま、堆肥じゃな。 久米であたご梨作りょうる人はだいたいすくもを原料にした堆肥を自分でブレンドして作っとるんよ。」 あ、なるほど。籾殻の堆肥ですね。 「籾殻ばっかりじゃねぇけどなぁ(笑)。まぁ詳しいことはあの清友さんに聞いてみられぇ」 あ、テントみたいな作業場の中で汗だくになってるお父さんが。 手を止めてコッチに来たぞ。 「お〜あんたかな、話しを聴きにきたんは。今ちょうどぼかしごえを混ぜとったところじゃけぇ見てみられぇ、これじゃけぇ美味いあたご梨はできるんぞ。」 もういきなり本題に入ってるけど、清友さんゆっくりしゃべってても独特の貫禄があっていかにも「頼れる!」って感じがするぞ! 「いろんな堆肥を試してみたけどなぁ。あたご梨にはすくもが一番じゃな。あんたこっち入ってみられぇ。これが米の籾殻、すくもじゃな。それと鶏糞とか酵母堆肥、それから有機肥料やこうを混ぜて、それから全体に水をかけてやったらな。ちょっと見てみられぇ。」 わ!!掘り返すと湯気が出てるよ。あっつ〜〜!スゴイ熱気。これは化学反応で? 「そう化学反応、あとは水をやって、丹念に掘り返すだけ。発酵するまで毎日毎日。」 は〜っ、2メートルぐらい積み上げてる堆肥を掘り返す 「掘り返すだけじゃおえん(ダメ)で。場所を替えて積み替えるんじゃ。今はここに積んどるけど時間を置いてこの空いとるスペースに積み替える。」 最近美味い果物を作っている農家に行ってるけどさ、瀬戸ジャンの吉田さんとか皆さんスゴイ手間かけてるよホントに でもアッサリ「手間かけんと美味いもんは出来んで」とか言うんだけどね 清友さんもスゴイこだわりよう 美味いにはわけがあるってことだよな。 「このぼかしごえが完熟したらな、あたご梨畑に敷藁する代わりにこう5〜6センチぐらい敷き詰めていくんじゃけどな、そうしたら木に段々と力がついてくるんじゃ。」 なるほど 「化学肥料とかあろうがな。あれは即効くけどな、一気に玉が太っておえんな。」 ダメですか 「果物はなるい(平らな)所に置いてへさきが上にならんとおえんのじゃけど、肥料で手を抜くと(化学肥料を使うと)一気に太って形が歪む。味に偏りがあって美味うない。」 なるほど 「やっぱし、丹念に作った堆肥をじっくり効かせて行かんと、美味いあたご梨は出来んなぁ。 ちょっと休んで上でコーヒーでも飲もう。」 あ、はい。ありがとうございます。

「久世のすぐ隣に落合町があろう。あれは元々高瀬舟が行き来しとった旭川と備中川が『落ち合う』場所から来た名前よ。県北で収穫した米を高瀬舟に乗せて運んどったのが落合町、その隣で昔から宿場町として、商業の町として栄えとったのが久世よ。」 あ〜久世商人って聞いたことがありますあります。 清友さんは商業されてたんですか? 「いや、うちはずっともう農業一筋。」 現在久世町の農業関係のまとめ役になられた経緯を教えてください 「そうじゃなぁ・・・昭和43年に久世町農協(現JA久世)の農業オペレーターになってな。 農業オペレーター言うのは2反とか3反の小さい田んぼじゃコンバインとか機械は高うて買えんじゃろう。そんな農家のために『受け田植え』言うて代わりに機会使うて田植えしたりするんが役じゃったんよ。 まぁわしも農業が好きじゃけぇな、ずっと世話しょうたら今度は真庭郡の岡山県農業士いうのになってな、これはあれで、各町村で1人の地域農業の指導者じゃけえな、みんなの農家の世話とかせんといけんからな。それをずっとしょうたらいつの間にか今みたいにまとめ役になっとったな(笑)」 
(竹下さん)「いつもお世話になってます〜(笑)」 あ〜段々わかってきました皆さんから頼られてるわけが ところで、今までの苦労話みたいなのはありますか? 「苦労言うて・・そうじゃなぁ、全部苦労言うたら苦労じゃけどな〜〜。 そういや昔一時期ビール麦を作っとったんじゃけどなぁ、あんときは米作っとるところと麦作っとるところで水を入れるタイミングで大苦労したでぇ(笑)。あんまり難しいから『もうやめる!』言うたら、そしたら(農業改良)普及センターが『やめんでくれぇ』言うてそれであと1年やったんじゃけどな、ありゃぁ参ったで(笑)」 なんかスパイシーなお話しですね。 では「やってて良かった」って感じたときは? 「そりゃぁ『旨い』言うてもらえるときと高く売れるときじゃな。昔トマトとイチゴとアスパラやっとった時にはな、トラックの荷台に獲ったばっかりの乗せて岡山の市場に持っていくわけじゃ。 そしたらわしの番号は318番なんじゃけどな、もう商品も見ずに『318はどれなら〜!』言うて競争で買うわけじゃ。うちのは美味いから、ずっと美味いもんつくっとるから安心じゃからいうて競り値もバーッと上がるんよ、そしたらやった甲斐があった言うて嬉しいしな、逆に言うたらもっと美味いもん作らんといけん言うてわしも頑張るわな。」 ん〜〜〜〜っと、なんだか若手の山陽町の行本さんと同じような話しをされているような・・。 めぐりめぐって農業を真剣に考えている人は、同じ熱い思いを持っているってことなんだろうか 「これからはな。久世のあたご梨は誰が食べても美味い言うてもらえるように全体のボトムアップじゃなぁ、それを一番に考えてやらにゃぁおえん。じゃから最近は特に巡回圃場講習いうてわしらが抜き打ちで畑に行って指導するのに今まで以上に力を入れとる。 これを続けて地域全体のあたご梨が『美味い』と評判になって、さっきのトマトじゃねぇけど獲り合いになるぐらいにならにゃあおえんと思うとるんじゃ。」 熱い思い、ありがとうございます。なんかボクも元気出てきました。 「漂流さんところはこの期から久世のあたご梨を売ってくれるんじゃろう。」 はい、JA久世さんから売っていただきます。 「おい!(竹下さんに) 漂流さんにはアレで、ここまで話したんじゃけぇ大玉のやつをいけぇよ。 あたごの2玉入りはなんぼぐらいの重さなら?」 (竹下さん)「1玉で1キロちょっとですね。選果場で最高の玉なら1.4キロぐらいまではあります。」 「そうしたら2玉入りはその一番大きい1.4キロのを2玉入れとけ。 誰が見ても『こりゃぁスゴイのが来た』いうのをバーーンと入れたれぇ!」 あ、どうもありがとうございます。(あとで頂いてビックリしました。1.4キロのあたご梨は梨に見えないぐらいデカイです。ちょっと小ぶりのスイカみたいな感じ。)
地域の農業でみんなをまとめている人。 そんな人は自分自身が農家であるだけでなく、みんなの手本になり相談相手になる。そして人間的に魅力がある。そんな人なんだなぁと清友さんに会って実感しました。
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