農業の一番の問題点はなにか?それは若い担い手の不足だと思います。今も足りてないけど今後決定的に足りなくなる。 ではなぜ農業を自分の仕事とする『担い手』が減るばかりなのか。

 

 3K産業でキツイわ危険だわ汚いわで魅力ある産業ではないからだろうか。おそらく違うと思います。

 安定して儲からないからです。お父さんやおじいさんがずっとその地で農業を続けていて産地化しているのならばともかく、他所の土地からIターンやJターンで新たにその地に移り住んで農業をはじめて継続して利益を出すのが極めて困難だからです。

 

 あるアンケートで、東京に住んでいる若い人たちで田舎に移り住みたい答えた人は30%を越えていました。ではなぜそんな人たちが実際に地方に移り住まないかといえば、それは将来に夢を持てる産業(仕事)が田舎にはないからです。中山間地と呼ばれる田舎にあった数少ない産業である農業がすっかり衰退してしまって、就労希望者の受け皿にぜんぜんなっていないからです。

 

 では一方田舎である岡山に住んでいる私たちから見れば、田舎の現状はどうか? 人口減少に歯止めがかからず高齢化がみるみる進んで限界集落化待ったなし。農家のあとを子供は継がない(親が継がせない)からいたるところに耕作放棄地が点在。10年後にどうなっているかなんてだれも想像つかないお先真っ暗な未来予想。

でもちょっと待って欲しい。

 新しい大きなお金をかけず、既存の地域資源を活用して若い人たちが移住してでも住みたくなるような仕組みはできないものでしょうか(既存の地域資源を使って若い移住者がふつうに収入を得ることができる仕組みを作ることができないものか)。

 つまり中山間地域の既存の資源である『農業』を衰退し続けている古臭い産業ではなく、農家が安定して継続的な収入を得ることができる魅力ある新産業に生まれかわらせことができるならば、田舎に住みたい若い人たちをたくさん受け入れることができることができるのではないでしょうか。

 

 最近よく『地方創生』と言われていますが、こと中山間地域と言われる山の中で農業以外にこれと言った産業がなく人口減少が止まらない地域ならば、農業を魅力ある新産業に再構築することができれば放っておいても『地方』は『創生』するのではないかと思います。

 既存の農業を魅力ある新産業に組み替えるには何をすべきか。現在の農業のボトルネックは『どう売るか』だと思います。農業の技術や治水や利水の技術が確立しなくて最近ずっと不作続き、全然収穫できなくて売上さっぱりです・・・ではなく、毎年安定して作られている農産物の有利な販売ができていない、つまり『売ること』が問題なのです。

 ただ先にも書きましたように、ひとつの理由としては高齢の農家さんが現役のままで頑張り続けているために既存の流通(農産物の販売経路)では若手の農家が利益を上げるのは困難です。

 そこで私たち有限会社 漂流岡山と、全国の志を同じにしている仲間たちとはじめている農産物の流通が『ふつう農業』(地域内中規模流通および地域間中規模流通)です。

 

 生産者さんから私たち中間流通(地域プロデューサー)、小売、消費者の各人が求めているものを最短距離で結ぶ、全国制覇ではなく県レベルのローカルな地域内を深掘りして自己完結する中規模な農産物流通の仕組みです。